5 北極圏とバロー(伝統のクジラ漁)
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ーーー北極圏 マイナス26度
オーバーコート(地味) 5万円
体感温度は マイナス45度
鼻毛が凍り すっかりなくなる寒さ
ーーーーバロー
5月から8月までの間は一日中日が沈まない白夜
11月から1月の間は一日中太陽が顔を出さない極夜
ブルードーベイ かつては捕鯨基地だった
クジラの骨を使った工芸品 骨に細かい彫刻が彫られている
ポイントバロー 最北の地 アメリカ最北端
今も6割の人が原住民 イヌピイット(先住民)又はイヌピアット
イヌピアットとは人間の中の人間という意味 アラスカエスキモーとも言われてる
住民たちは伝統のクジラ漁をする以外に本業を持っている
原住民の祖先は およそ4000年前にこの地へ移り住んだとされている
定住生活を始めたのは50年前 それまでは遊牧生活を送っていた
学校ではイヌピアット語の授業が行われている
ただイヌピアットの伝統文化はすたれつつある
そのほかヌナミュート語もある
イヌピアットのクジラ漁
2016年 バーローから原住民の言葉で 野生の根を集める場所 を意味するウートキアグビックと地名を変更する
<白夜>
5月から3か月間 白夜(夜が来ない)が続く またその時期は最もクジラが取れる時期でもある
夏のアラスカの日没は午後11時
<高額なツアー代> フェアバンクスからのツアーは約900ドル
<バロー物価>
昔は陸の孤島だったバローも今ではスーパーで何でも買える
しかし物価は非常に高い リンゴ1ダース 1500円 スイカ 3切れ 1000円
牛肉や鶏肉も売っているがイヌピアットの人 以外の人が買っていく
売り買いが禁止されているクジラ肉は売っていない
(イヌピアットヘリテイジ)伝統のクジラ漁に関する物を展示 入場料10ドル
<クジラ漁>
伝統のクジラ漁は約1000年前から行われている
バローでは年に2回 春と秋にクジラ漁がおこなわれる
猟師はほかに本業を持っている
漁師たちは氷の上にテントを張り2か月間漁を行う
クジラに気づかれないよう服も周りの景色と同じ白色の服を使用する
南北23キロの漁場に43チームが集まりクジラ漁に参加した。
黒い雲が出向する合図となる
クジラが現れるまで来る日も来る日も待ち続ける
風が吹くと体感温度はマイナス70度まで下がる
見張りは24時間交代で行われる
時々現れるのは好奇心の強いアザラシのみ
しかしシロイルカが現れた時はクジラが近付いている前ぶれと言われてる
体を温めるため脂肪分の多い食事をとる
漁の経費は2か月で150万もかかる
ウミアック クジラ漁をする原住民たちのこと
手打ちのモリだけでクジラをしとめる
使用するモリは木材とクジラの骨を使用 先端に鋭く削った石を使っている
モリがクジラに刺さった際 鯨が海の中へもぐって逃げるのを避けるためモリの先端にはアザラシの皮で出来た浮袋がついている
冬 氷の海にできた 一筋の川のような氷の隙間
そこへ呼吸をしに上がってきたクジラをしとめようと言う作戦
ボートで少しづつ近づき仕留める
捕獲の際はモリ以外に弾丸も撃ち込まれる
弾丸はクジラの体内で破裂するような仕掛けになっている
今回の獲物は体長19メートル 重さ70トンだった
5年ぶりの快挙となった
陸に上げて解体作業が行われる。
クジラの引き揚げ作業は全チーム参加で行われた。
引き上げる際 しっぽの尾びれは邪魔になるので先にカット
ロープで滑車を氷の地面にしっかりと固定する
人力だけで数十キロあるクジラを引き上げる
100人が力を合わせ一斉に引き上げる
徹夜でクジラの引き揚げ作業が行われた
(モーターボート)
時にモーターボートに乗って漁をすることもある
沖合50キロのところまで行けるが危険度は伝統漁よりもずっと高い
(クジラの解体作業 )
解体作業には丸2日が費やされた
解体中 赤黒い肉から湯気がモクモクと立っている
かたい肋骨も解体していく
体内からは120年前に刺されたモリが発見された
クジラ肉の売り買いは禁止されている さらに毎年とっていいクジラの数が決められている この年はバローで22頭と決められていた
ホッキョククジラの胴体部が最もおいしい
一番最初に切り落とされる 肉は帯状の模様をしている
キョプテンズベルト(肉の部位※胴体部)は船長がいただく
船長の家には大漁旗が掲げられる
内臓の皮は太鼓の革に使用される 骨を除いてすべて使用される
※またインドネシアラマレラ島ではクジラの骨も建築素材として使われる
妊娠中のクジラの場合 母体から生まれる前の赤ちゃんクジラが出てくる
(クジラを食す)
取れたてのクジラは刺身でいただく トロのようでトロよりうまい
歯茎もコリコリしてうまい 生肉を素手で食べる 集まった人 600人に分けられた
そのほか 500枚ある上あごの髭 は全島工芸品の材料として使われる クジラの工芸品は唯一の現金収入となる
内臓を煮て近所の人にふるまわれる 2000袋 2000人分
歯ごたえのあるゴムのような食感
舌肉は「ウッチック」と言う クジラの舌は体の長さの3分の一もある
<2頭目のクジラ>
35メートル 11トン
<シロクマ>
クジラの解体中クジラの血の匂いを嗅ぎつけたシロクマがやってきた。
人々は拳銃でクマを威嚇する 背中には38の文字
生態研究の対象となっているクマだった。
クマは威嚇射撃をしたにもかかわらず さらに近づいてきたため 射殺されてしまった。
シロクマの肉も毛皮も余すところなく使われる
(アザラシ漁とアザラシ料理)
アザラシも時に獲物になる
猟師は手にライフル銃を持ち
さらにシロクマと勘違いされないように白い服を脱ぐ
這いつくばりながらそっと近づき 仕留める
仕留めたのは 体長80センチの小型のアザラシ
アザラシはイヌピアットにとってクジラに次いで大事な食糧
腸を編み込み肉と一緒に塩ゆでする おふくろの味
若者向けにアザラシのさばき方講座も実施している
(ホッキョククジラ 体長20メートル 体重80トン)
背びれがないクジラ 200年以上生きる者もいる
(伝統の船つくり 捕鯨用)
船はウミヤックと言う
アゴヒゲアザラシの革で出来た船を使用
一隻の船で6頭分のアザラシを使用
ウミヤックボート作りは まず皮を3か月間海水につけ発酵させる
<皮を縫い合わせる作業>
カリブーのケン(筋)を乾燥させて一度ほぐし再び束ねて丈夫な糸を作る
革を縫い合わせる時その糸を使用する
縫う前に水が漏れないよう革をアザラシの油にたっぷりとつける
調理にも使う扇形のナイフ(ウルと言う)で裁断作業
皮の表面に残っている肉をつまみながら作業をするのが楽しみ
全部で2000針縫う 合計10時間かかる
アザラシの革は船を軽くするためマイナス30度の外気で乾かし油分を凍らせて落とす
<木枠に革を張り付ける作業>
革が木枠になじるように木枠に油を塗る
裁断の際 寸法は計っていないが 革はぴったりの大きさに木枠に取り付けられる
また古くなった船の革を外して子供のトランポリン代わりに使うこともできる
(永久凍土で出来た天然の冷蔵庫)
地下3メートルまで掘られた穴は永久凍土で出来た天然の冷蔵庫
そこへ大量のクジラの肉を保存する
<捕鯨の歴史>
イヌピアットのこういった素朴な漁は19世紀 困難な時期を迎えた
北極海の沿岸に大型船が出没し
白人たちは近代的な道具を使い 次々とクジラを捕獲していった
石油が発見される前 白人たちはランプをともす明かりにクジラの油を使用していた。
クジラは食用ではなく石鹸や化粧品に
またクジラの髭は弾力があるため プラスチックがない時代 コルセットや傘の骨組みとして使用された
この時代 海のクジラは激減した。
クジラ目当ての白人と一緒にキリストの神父もこの町へやってきた。
今ではバローの90パーセントがクリスチャン
1977年 IWC国際捕鯨委員会(オーストラリア)はアラスカでの捕鯨を全面的に禁止すると発表 イヌピアットが猛反発
<イヌピアット皆裕資料館>
(クジラ肉料理)
マクタック 乾燥クジラ肉
ウルと言われる王木々型のナイフでカットする(裁断の時もこのナイフを使用する)
–北極圏の扉国立公園 、Gates of the Arctic National Park and Preserve
ブルックス山脈 の景勝地 カリブー ムース ドールシープなど36種の哺乳動物が生息
道路がなく飛行機で行くしかない 園内にはエスキモーの村 アナクツビック パスがある
敷地内では自然環境に配慮してスノーもビルの使用は禁止されている
個人旅行での立ち入り不可 入園は旅行会社のツアーに参加した人のみ可能
<目次>
1基本情報
2歴史
3動物
4アラスカ鉄道とユーコン川
5北極圏とバロー(伝統のクジラ漁)
6北部 ウェールズや その他の地域
7中央部 フェアバンクス オーロラ観測
8中央部 デナリとマッキンリー
9南部 アンカレジとコロンビア氷河
ほか さまざまな氷河
10南部 スワード キーナイフィヨルド
プリンス ウィリアム湾
11南部 グレーシャーベイほか
カナダとアラスカの自然公園
12南部カトマイ国立公園
13南部ジュノーとその他の地域
14南部 サーモンとオヒョウの釣り大会
15南部 コディアック島 シトカ ケチカン
16アラスカ料理
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