(小笠原諸島9)〃硫黄島大決戦-3-〃硫黄島が燃えた
空から見た硫黄島はその島の形が海の上に浮かんだクジラの背中のように見えます。
一見のどかに見えるその島も このあと空から太陽が降って来たかのような猛攻撃を受ける事になります。
ある日の夜 日本本土から一機の輸送機が硫黄島を目指して飛んでいました。
機長 始め運送係の人たちは物資を島の兵士たちに手渡した時のあの兵士が喜ぶ表情が忘れられないと言います。中でも最も喜ばれたのは本土の家族からの手紙だったそうです。
そしてその日はたまたま夜の飛行でした。太平洋の上空は真っ暗闇の世界 ただ夜空だけは地上の光に邪魔される事なく沢山の星々が思う存分輝いていました。
そんなとき機長は海上の11時方向に赤く輝く星のような光を見つけました。近づいてみると なんと無残な海がまるで太陽のように燃えてました。
実はそのとき硫黄島ではもう既にアメリカ軍の猛攻撃が始まっていました。このとき空から投下された爆弾は700発でさらに海上からは砲弾が5000発も発射されたそうです。
それは島の形が変わるほどの凄(すさ)まじさだったそうです。結局 本土からの輸送機は硫黄島に到着できずそのまま引き返したそうです。
一方 硫黄島の日本兵たちは地下壕の暗闇の中で身をひそめていました。そのときに兵士は計り知れない恐怖体験をしてました。
地下壕の中では爆弾投下の爆音とそれに伴う地響きが発生し絶えず天井から砂が降ってました。地面の揺れだけでなく兵士の体の震えも止まる事がありませんでした。
そして いつ地下壕が押しつぶされてもおかしくない状況でした。
実は戦前まで硫黄島には1000人ほどの島民からなる集落があったそうです。もちろん空爆があった時にはもう既に島民の非難は終了してました。
しかし そのときの爆撃によりその集落も木っ端微塵に破壊されてしまいました。そして その後 今に至るまでの70年間以上 人が住めない島になってしまいました。
ーーーーーーーこのあと とうとう硫黄島はアメリカ軍に占領されてしまうことになります。つづきをどうぞ
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